昨日はスキー場の帰り道で、keiはマーケットのお寿司売り場にいました。
売れ残り特価のバラちらし寿司半額198円が3つもあります。
錦糸たまごや桜でんぶがキラキラしていて、おいしそお♪
「これ食いますか、ちょうど三つありますよ。」
お兄さんたちが3人も、特価バラちらし寿司を狙っています。
山にこもってスノーボードをしているような感じのお兄さんたちです。
「おお良いな、おれはそのちらし寿司と味噌汁で良いかな。」
え~、keiが先に発見したバラちらし寿司だよ。
「おれはホカ弁って、選択肢で行くよ。」
「じゃあ、2つですね。」と言って、特価バラちらし寿司を2つ取り上げる日焼けしたニット帽のお兄さん。
よかった~、keiの分が残った!
これを食べたら、お兄さんたちのようにキッカーで高くジャンプできるかもぉ。。
今日のスノーボードの呪文は「板を太ももにひきつける~引き付ける~」でった。
そうやって意識してると、ヒールサイドターンからトゥへうまくクロスオーバーできるような気がする。
毎日、keiは呪文を作ってスノーボードの練習してるんだよ。
スノーボード技術検定1級をとって、インストラクターになりたいんでっす。
そうそうぉ昨日のお兄さんたちも猫猫スキー場のローカルさんかしら~?
きっとパークで飛んでるんだとおもお~。
とりあえず緩斜面で、今日の呪文の練習をして!
こんどは急傾斜な秘密の沼B線ロマンスリフトに乗ります。
さっきまで晴れていたのに、急に曇ってきて風が出てきまったよ。
寒いのでインナーのフリースのチャックを上まであげて、顎とお口を包み込みました。
B線ロマンスリフトの隣は、山頂まで昇るA線トリプルリフトです。
そのトリプルリフトの山頂付近に黒い雲が出てきたのね。
びゅ~。って、風がひと吹き!
雪が渦を巻いて、過ぎ去りまった。
そのとたん、ものすごい風が吹きつけてきましたよ。
木々からは雪や霧氷が、強い風とともに襲ってきます。
霧氷がほっぺにぴちぴちっ当たって痛い!
わぁ~風圧でリフトが傾いてるぅ。。
こんどは雪です。
まったく前が見えないほど、横殴りに降りつけてきます。
なんか、雪崩の中ってこんな感じっ!みたぁいな雪まみれ。
きゃぁ~~(゚O゚;)
ズボンのポッケの中の”さめ”も、もぞもぞと動き始めまった。
非常事態に気づいたのかしらっ?
あっ、ヒレでkeiの腿をツネったよ。
なんか、用事があるみたいです。
ポッケから出してみた。
「keiさんっ こ おうしわ です。」
強い風と雪で、なに言ってんだか分からないので、やっぱポッケにしまった。
もぉ。。”さめ”ってば、またつねってる。
しかたがないので”さめ”をニット帽の耳あての内側に入れて、お話を聞き取りやすくしました
「keiさん!」
うるさぁ~い!
耳元で叫ばないでぇ~!
そうそうぉ”さめ”はkeiの使い魔です。
ホオジロザメなんだけれど、まだ体長7cmの幼児です。
これが最近は生意気なんだなぁ~
あっ実はkeiは魔法使いなんでっす。
「keiさん、この異常事態は猫魔王の魔力に関係してるとサメは思います。」
猫魔王ですかぁ~、たしかにこの風と雪は尋常じゃありません。
猫猫スキー場ローカル組にとって、風雪の強さや寒さは当たり前。
でも、こんなの初めて~
リフトは超減速運転です(ありんこが歩くスピード)。
数十分も時間が経ち、吹雪の中にとつぜんリフト降り場が見えてきました。
リフト係のおじさんが、keiの手を引いてリフトから下ろしてくれたよ。
スゴイ積雪なんでっす。
リフト降り場の雪はひざ下近くまであって、リフトが通るところだけ除雪してありました。
「パークは閉鎖です。視界が悪いのでセンターゲレンデをまっすぐ降りてください。」
「はぁ~い、毎日滑ってますからぁ。。だいじょうびだとおもいます。」
おじさんはウェアからおっきなトランシーバーを取り出しました。
「お客様は青のシムスのジャケットとバートン黒のパンツです。板はおがさか、青いユニオンのビィンディングです。オーバー。」
ジッ
「パトロール2、Roger!」
ジッ
「パトロールが途中まで迎えに来ます。とにかくネコジャンセンターをまっすぐ降りてください。」
すごい深雪だよ。なれたゲレンデと言っても、やっぱ深い新雪を転ばずに降りる自信ないなぁ。。
「ハイクで降りちゃいけませんかぁ。。」
「この寒さです。なるべくだったら、体が冷える前に速やかに滑り降りてください。では気をつけて、It is a fortune to you! 」
吹雪でなんだかよく分からなかったけど、おじさんてば英語でなんか言ってたような気がする。
「keiさんに幸運を!って、言ってくれていたんですよ」
え~なんで最後に、しかも英語でぇ~
この事態に”幸運を”だなんて、やばくないですか~
危険な香りがしますねぇ。。
ポンピン パンペポリンシャン ニョロリンコ~♪
keiの頭の中ではムーミンの主題歌が流れていました。
さっきまでネットTVでムーミンを見ながら朝ご飯を食べていたのにね。
いまは命が危険にさらされているのかもぉ。。
「さて、keiさん。どうしましょう。」
keiは板をズリズリしながら、センターゲレンデの真ん中までやってきまった(たぶん)。
「サメは車に戻って現状の把握から、調査をはじめたほうが良いと思います。このただならぬ事態にはやはり猫魔王が関係してると思うのです。」
「そうだね、車に戻ってエンゼルパイを食べよお。」
とにかく、ネコジャンセンターを降りなきゃですね。
パウダースノー苦手だなぁ。。
「後ろ足で雪をなでるように落ちていくんです。雪と喧嘩をしちゃダメです。」
後を振り向くとネコジャンセンターゲレンデ山頂に向かって、吸い込まれそうな闇が広がっていまった。
つづくぅ~