猫魔王12「なぞのあいつ」

いわはし山
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それは突然やってきまった。
重苦しい空気が迫ってくるのォ。。
何もかも潰してしまいそうな大きな力です。
暗い雲の中に、さらに暗く黒い漆黒の大きなものが近づいてきますよ。
おもいっきり邪悪な感じ!
keiっ鳥肌立って来ちゃった~

「猫魔王! 」
その闇の中から太くて大きい、体をブルブル震わせるような声が聞こえてきたよ。
なんか耳に入ってくるなり、いきなり憂鬱な気分にさせる声でした。
「猫魔王!石の封印は終わったのか? 」
「雄国山の封印をしているときにきつね達に襲われた。 」
ねこねこは暗い闇に向かって話しかけているよ。
石の封印。って、一体なんだろうねぇ。。
「さっさと封印をしてお前らの力を解放するんだ。 」
「あ~わかってるよ」
封印?力の解放?
なんかアニメの世界みたい。
keiさんっ和石の事では無いでしょうか?
さめが耳元でささやいたよ。
「そういえば、この辺にお前以外の大きな力を感じたが? 」
「俺以外の力? 」
きっとkeiのことだ!
「ねぇねぇそれはきっとkeiだと思います。 」
「まっさかぁ~(笑)」
もう~ねこねこったらkeiを見て笑ってる。
「お前などでは無い、それに魔法使いの気配も感じたぞ!何か隠しているんではあるまいな。 」
「それはもちろん!keiだと思います。 」
今度ははねこねこったら、えっ!て顔してる。
「ところであいつさんもカレーたべますか~」
きっと、あいつさんもお腹が空いてると思お。

その時なのです~
keiの手が何か風のようなもので叩かれたんだよ。
つむじかぜのような~
カレーが飛び散りちゃった!
おてても痛いし、赤く腫れてる~(> <。)
「 kei 、だいじょぶか?突然、何をするんだ! 」
「手下を殺されたくなかったら、しっかりと教育しておけ!とにかく急いで石を封印するんだ。 」
そう言うと黒い雲の中に、”あいつさん”の力が遠ざかっていきました。
それにしてもおててが痛い!
何か固い竹ぼうきのようなもので叩かれた感じがしたよ。
ひりひりする~
カレーももったいないね。
フォト

ねぇねぇ~ねこねこおー石の封印って何の話なの? 」
keiの手を心配して、ねこねこはこっちを見ています
「あ~石の封印のことか、俺や妖怪たちの妖力を封じる石のことだ。朝廷の手下に征伐された俺は石になっちまったんだが」
あっkei知ってるよ~
「殺生石のことですね」
「そうそう、その殺生石だよ。実のところ俺は死んだわけではなく、あの石の中に閉じ込められていた。 」
「さめぇ~猫石のことだよ。連れて行ってあげたじゃん。」
そうだ、あれが殺生石だ。
俺は石の中から猫たちを操り、それでも悪さをしていたのさ。
本当は他の場所にあったんだけれど、偉い坊さんが馬鹿力でここに持ってきた。
猫魔ヶ岳には魔力や妖力を抑える不思議な石があったんだ。
その近くに俺の殺生石は置かれたというわけさ。
その後、やっぱり馬鹿力の偉い坊さんがやってきて、その不思議な石を3つに割って2つを金沢峠と雄国山に置いたんだよ。
それで秘密の沼に妖力を弱める結界ができたわけさ。
その坊さんは、おれも「反省しただろうから」と条件付きで、岩から出してくれると言ったんだよ。
条件というのは悪いことをしている妖怪を捕まえて、妖力を封じる石で作った結界の中に閉じ込めるという仕事だ。
外に出してくれるというのならと、俺はその話にのった。
「ねこねこの頭についてる輪っかぁ~孫悟空と同じなんでしょおw」
あ~そうだ、そのときにつけられた(^^ゞ
孫悟空と同じように条件に従わなければ、この冠で頭が締め付けられる。ってすんぽうさ。
それ以前に俺は真面目に働いてたよ。
悪さをする奴を捕えてきては、結界が張られた秘密の沼にに閉じ込めた。
ごろつきばかりだから、いじめに喧嘩、そのうちグループを作りだし小競り合いを繰り返していた。
妖怪同士で殺し合いが続いていたんだ。
本当に手がかかったよ。
「 えーみんな悪い子たちなの?そうは思えないけど?? 」
「あ~ここは居心地がいいから、何百年もここにいる間にみんなのんびりしちまったのさ。」
「ん~そういうものですかー??」
あの不思議な石のせいもあるかもしれないな。
人里で悪さをする妖怪もいなくなったし、沼の中でも揉め事が起こらなくなった。
いまじゃ平和なものさ。
俺は俺でこっそりスノーボードをしに行ったり、ねこねこ食堂でカレーやラーメンを食べたり、人間と関わるのも面白くなってきた。
夏は夏でたくさんの観光客がやってきて、秘密の沼が賑やのも悪くない。
「ねこねこがスキー場にミクロファインスノー降らせてくれたり、沼にニッコウキスゲやらお花をたくさん咲かせてくれたりてるんだよね。」
他にやることもないしな。
花のほうは妖怪どもが、以前から少しずつ増やしているんだ
人間どもが農業用水のための堰を作って水を貯める前は、もっとたくさん花が咲いたよ。
「妖怪さん達もなかなかやるじゃん。」
「猫魔王さん、その不思議な石というのは、魔法使いや使い魔の力を鎮めるために世界中に置かれた和石なのです。 」
ねこねこは何度かうなずいて納得している様子だよ。
「それを坊さん達が俺や妖怪どもの力を封じるために使ったのか。 」
「ひょっとして”あいつ”という人は、その和石を狙っているんじゃありませんか? 」
ほーさめってばなかなか賢いですねぇ。 。
「いつごろだろうか?あいつはずっと以前、 200年前ぐらいからここにやって来てあの石を調べていたよ。 」
”あいつさん”って、けっこうお年寄りなんですね~
「最近になってあの石を封じれば俺達は解放され自由になれる。と言い始めたんだ。」
「”あいつさん”が和石を封じる方法を見つけたのかもしれませんね。」
ぬぬっ、さめってば幼児のくせして賢い!
「そっか!それでこの前の震災を人間の仕業だと言って、ねこねこたちを騙したんだなぁ~」
「 keiさん、その通り!和石の封印のせいでkeiさんも賢くなってますね。 」
和み石の封印で賢くなってるのはさめだってば!
keiの桜色の頭脳は、いつも明晰なんでっす(^o^)v
「考えてみればkeiの言うとおりかもしれないな。今じゃおれも妖怪たちも人畜無害だし、人間たちが俺達を邪魔にする理由がない。 」
「ねぇねぇ。。でしょでしょぉ~♪」
ねこねこっ解ってくれたみたぁい。
「良質の雪を降らせたり、花を咲かせたり、人畜無害と言うよりも、良き友人ではないでしょうか。」
ん!さめってば、なにカッコつけてるんだか。
なまいき~(*- -)
フォト

身を隠していた、きゅっぴが戻ってきたよ
「猫魔王、やっと理解したのか! 」
あ~。ってふてくさった顔で返事をするねこねこっ。
もうすこし楽しく出来ないかなぁ。。と思おのです。
「 keiやさめの言っていることの方が理にかなってるな。じゃぁ、奴が石を封印する目的はいったい何なんだ? 」
みんな顔を見合っているけれど、ぜんぜん答えが出てないのねぇ。。
「ん~それはさめにも見当がつきません!それよりもどのようにするかの方が重要な気がしませんか? 」
ん~
なんかね、みんなで腕を組んで首をかしげて唸ってます。
「みんなでやっつければいいんじゃないの? 」
「 keiさん!keiさんも感じていただろうけれど、あいつの力はただ者ではない。非常に強力な力を持っているんですよ。」
きゅっぴが言うんだから、”あいつさん”はよっぽど強いんだね。
「ん~困りまったね~。」
みんな腕を組んで、さらに首をかしげているよ。
「猫魔王、お前は付き合いは長いんだから何かわからないのか?」
「付き合いが長いといったって、奴はここに来て石のことについて調べていただけだ。世間話はしたが、奴は自分のことをまったく話さなかったよ。」
悪人と言うものは、そういうものなのです(エッヘン)
「そういえば、さめはちょっと気づいたことがあるんです。」
「さめっ怒ったりしないからちゃんとお話してごらん。 」
「はー!? keiさん!まあいいや(汗)」
さめったら、生意気ーっ。「まあいいや」だって、「まあいいや」(ぷんぷん)
「それでさめ殿は何に気づかれたのですか? 」
「さっきkeiさんが”あいつさん”にカレーを出した時、怒り方が異常だったような気がするんです。カレーを差し出したくらいで、殺すぞ!なんておかしくないですか? 」
あっそうだ、つむじ風のようなもので叩かれたんだっけか。
「確かにそうだな、あんなに怒っているのを見たのは初めてだ。 」
きっと、”あいつさん”はカレーが嫌いなんだと思お~
「それと魔法使いの気配を感じたと言いながら、目の前にいる魔法使いのkeiさんに気がつかなかったですよね。 」
「 keiが自分から『魔法使いだ』なんて名乗り出るから、俺はヒヤヒヤしたよ」
「何かカレーに秘密がありそうですな。」
きっとkeiと同じ強力な辛味センサーが働いたと思うのです!
「ただ、辛いカレーが嫌いなだけじゃないの~」
「さめはカレーに入っている香辛料に答えがあるような気がします。例えばガーリックとか、ペッパー、香草の類です」
「 kei、悪いがちょっと黙っていてくれないか。それにしてもkeiの使い魔は小さいのに賢いな。」
もう~さめはさめ!買いかぶりだと思うのです(*- -)
keiの話は、誰も聞いてくれませんよ~(ふんっ)
「奴がカレーを嫌がるなら、とりあえずきつねたちにカレーを作らせましょう。」
「九尾よ、カレーの結界でも作るのか。はっはっはっ!」
あつ!ねこねこったら、きゅっぴをからかって笑ったよ。
「その通りだ、何おかしい!悪巧みはお前の方が上だから、策があるなら聞いてやってもよいぞ! 」
やっぱり、きゅっぴてば怒っています。
「カレー爆弾も使えるんじゃないですか!」
さめってば、すっとん狂なことを言ってます~(汗)
「玉ねぎやリンゴやトマトをいっぱい煮込んだスープでカレーを作れば、甘くなって食べてくれるんじゃないかなぁ。 。 」
「だからkei、ちょっと黙っていてくれ!」
なんか、ねこねこもさめも意地悪ぅ~~~

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