猫魔王13「意外な助っ人?」

落ち葉
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どうしたらよいものか~みんなで考えあぐねてたのね。
keiはやっぱりカレーの王子様のような辛くないカレーにしたら良いと思うのです~
わぁ~っ!
ものすごい閃光が走りました。
keiたちっ不意をつかれたみたぁい!!
何本もの電が周囲を取り囲みます。
そして、憂鬱なあの声です(*- -)
「猫魔王、裏切りやがったな!」
稲妻が走る先から、”あいつさん”の声が聞こえてきました~~

さめです。
このあとの出来事を考えると、さめのお話したほうがいいかもしれません。
しかも、keiさんはみんなと方向性が違って、ちんぷんかんぷんです(;^_^
さて…
あいつさんの声はずっと高いところ、大きなブナの木のてっぺんぐらいのところから聞こえてきます。
稲妻が走るたびに、その光でなんとなくあいつさんの姿が見えます。
なんか、すその長い真っ黒なコート着ている様子です。
「俺は別に裏切っているわけではない、こいつらと話をしているだけだ。」
猫魔王さんはどこからかタバコを出して、近くにあった焚き火でタバコに火をつけています。
オサキさんは黒いコートの影に向かって身構えています。
猫魔王さんと違って、オサキさんの目には闘志をみなぎらせています。
それはそれは恐ろしい顔でした。
猫魔王さんはタバコの煙を大きく吸い込むと、モヤモヤと吐き出しながら話し始めました。
「お前こそ、俺たちを騙していたんではないか! 」
猫魔王さん、タバコを吸うのか喋るのか、どっちかにした方がいいと思いました。
なんともお行儀が悪いです。
「人間たちが俺たちを追い出すと言っていたな。考えてもみればkeiの言う通り、追い出される言われもない。 」
タバコを吸いながら喋っている猫魔王さんを見てみると、その目はやはり怒りに燃えています。
「いずれお前らは追い出される。もしくは人間たちに抹殺されるだろう。その前にあの石を封印して力を解放したらよいだろう。 」
本当にあいつさんの声は、気分を憂鬱にさせるいやな響きを持っています
「いずれか、いずれね。理由も聞かせてもらいたいところだな。なぁ九尾!」
オサキさんはあいつさんをにらんだまま、微動だもせずに「あーっ」と返事をします。
「お前は伝説の九尾のきつねか!なぜこんなところにいる。」
あいつさんはオサキさんのことを知っているようです。
「そうか、お前もあの石を封印したことで力を得たのか、我々に協力して人間たちをこらしめてやろうじゃないか!」
「私の力に封印なんぞと関わりは無い、私はこの地を守る神に仕えるものだ!お前はこの地を荒らすというのなら、この私が成敗してくれよう!」
「伝説の神使九尾のきつねも、今じゃ式神のようなものか(笑)」
オサキさんは恐ろしい声でうなり始めました。
「ねぇねぇ~質問!あいつさんはなんでカレーは嫌いなの?甘いカレーだったら食べられるかしら、 keiも辛いの苦手だよ♪」
オサキさんも猫魔王さんも、 えーって顔でkeiさんを見ています。
さめは呆れて力が抜けてきたぁ~(*- -)
「甘いも辛いもない!さっきはカレーのにおいで気が付かなかったが、お前は魔法使いだな。 」
やっぱり、カレーがあいつさんに影響しているようです。
「だから、keiは魔法使いって言ったじゃん。人の話を聞かないで自分ばかり話してると、みんなから嫌われちゃうよ。」
いくらあいつさんでも、keiさんには言われたくないと思うのです。
「お前はこちら側にいるべきだろう、オレも魔法使いだ。こちらに来い! 」
「え~きゅっぴもねこねこもお友達だし、 keiはこっちだと思お。 」
あいつさんは「魔法使いだ」ということは、和み石のことを知っているということです。
やはり、狙いは和み石の封印!
かつてに魔法力を取り戻し悪さをしようとしているのでしょう!
「お前は魔法使いだろう、そいつらは妖怪だ! 」
オサキさんの目の上がピクピクと動いています。
妖怪と言われて怒ってるのでしょう。
「それにぃ~あいつさんてば怪しいんだもん。本当に魔法使いなの? 」
「いいからこちらに来い! 」
そう言うと、にわかにあいつさんの目のあたりが赤く光り始めました。
あ~keiさんがあいつさんに向かって歩き出しちゃった。
オサキさんが飛び跳ねてkeiさんの隣につきました。
オサキさんはkeiさんを呼び止めるのですが、歩みを止めずあいつさんに近づいていきます。
「お前、 keiさんに何をした! 」
オサキさんは、雪面おも震わせるような低い音で唸り始めました。
その低い振動であたりの木々に着雪した雪が落ちてきます。
keiさんは何か暗示のようなものにかけられていると思うのです。
うっすらと光ったあいつさんの目が怪しいですね。
「 keiさん! 」
オサキさんが呼び止めようと手を差し伸べようとしました。
すると火花が散って、オサキさんの手は壁のようなものに弾かれました。
keiさんはどんどんとあいつさんに近づいていってしまいます。
「さめ、何とかならないのか! 」
「さんまでもあればいいんですが… 」
さめも何を考えてるんでしょ。
こんな緊急事態に自分で吹き出してしまいましたw
「さんまならあるよ、解凍だけど。 」
「ええっ(゚O゚;)」
この緊急事態にサンマがある!?
「解凍サンマだけど、昼飯食べようと思って持ってきた。」
「猫魔王さん、すぐに焚き火でサンマを焼いてください。」
「焼いてしまったら、うまくないぞ! 」
やっぱり猫魔王さんも猫、サンマは生で食べるんですね。
「ごめんなさい。でも焚き木を集めてきて、すぐにさんまを焼いてください。」
オサキさんはさめの方見てニヤリと笑いました。
「よろしくお願いしましたよ、さめは妖怪さんたちのところに行ってきます。」
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あいつさん、さっき口を滑らせましたよね。
カレーのにおいで魔法使いの気配を感じなかった。と言っていました。
やはり、カレーにはあいつさんの力を抑える効果があるんだと思うのです。
さめは妖怪さん達にさっきのカレーを残さず集めて、カレー爆弾を作ってもらうことにしました。
そのことを妖怪さん達に話すと、おー!と雄たけびを上げてカレーを集め始めました。
猫魔王さんのところに戻ると、さんまの焼ける良い香りが漂っていますよ。
「猫魔、もっとウチワで仰がないか! 」
「おい、それじゃ焼きすぎてしまうだろう。 」
猫魔王さんはサンマの心配をしています(^^ゞ。 「焼きすぎてもいいんだ、どんどん煙を出せ! 」 いぜんkeiさんはあいつさんの方へ向かって、とぼとぼと歩いています。 「カレーの次は焼き魚か、何を考えていやがる。焼き魚の煙で燻されて逃げるとでも思ったか!? 」 あいつさんも浅はかな想像をしていました(;^^
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なんかさんまの焼ける匂いがするのね~(ρ_-)/
ご飯も炊けたかなぁ。 。
さんまの背中のところの身を、おっきく開いた脚でつまんでぷりっ.。.:*・゜☆
あーお腹が空いてきた~
てか、 keiは何をしてるの~??
あっそうだ、討伐に来ていたんでした
妖怪たちがさんまを焼いてくれてるのかな~o(^^o)
もうそろそろお昼ご飯なんだと思う☆

さんまの香りにkeiさんが反応している様子です。
だんだんと歩みが遅くなってきます。
止まりました……..
こっちを振り向きましたよ!
やっと我に帰ったようです。
こちらへ帰ってきます。
「 keiさん」とオサキさんも安堵した様子でつぶやきました。
「いただきまーす」
えっ
「逃がすものか! 」
あいつさんの怒りに満ちた声が響きます。
たぶん、keiさんは逃げてるんじゃないんだなぁ(汗)
keiさんの頭上からあいつさんの大きな手が、 keiさんを逃すまいと近づいてきます。
「妖怪さん達お願いします!」
さめは号令をかけると、妖怪さん達はカレーの雪団子をあいつさんに向けて投げつけます
「なんだ、これは小賢しい! 」
あいつさんが一瞬ひるみます。
「カレー爆弾お願い! 」
keiさんの嫌いなカレーとご飯がぐちょぐちょになった、おにぎりのようなカレー爆弾を妖怪さんたちが投げつけます。
あいつさんのマントはカレーライスまみれになってます(^o^)v
カレーライスがくっついてるところに、紫色の炎が上がって燃えているようです。
払いのけようとするあいつさん!
その瞬間、また四方に閃光が走りました。
あまりに激しい光に一瞬目がくらんだのですが、気がついたときにはあいつさんの姿がなくなっていました。
「わたしに逆らった事を後で後悔するぞ。覚えておれ! 」
どこからと無くとなく、あいつさんの憂鬱な声が聞こえています。

「ねこねこおー!さんま~真っ黒じゃん! 」
あーkeiさん(;^^ 「いや、九尾のやつがどんどん焼けと言ったんだ。 」 「ねこねこっ嘘は泥棒の始まりだよ。」 「俺だってさんまを焼きたくはなかったよ。どうしてくれるんだ俺の昼飯! 」 あ~猫魔王さん(;^^
なぜサンマを焼いたのか、この2人は解っていないんだと思います…
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今のところ、分かってることといえば、あいつさんは和石を封印しようとしているということです。
そして金沢峠と猫魔岳の和石は封印されてしまいました。
どうして和石を封印しようとしているのかは分かりませんが、魔法力を開放して悪さをしようとしていることは間違いありません。
それとあいつさんの欠弱点ですが、カレーが苦手ということです。
なぜカレーが苦手か、という事はまだわかっていません。
また嘘か本当かわかりませんが、あいつさんも魔法使いだということです。

「とにかく今はカレーで対抗するしか、手段は無さそうですな。」
オサキさんが困った顔をしています。
「しかし、それがいつまでも通用するとは思えない。猫魔、和石の封印は解けないのか? 」
オサキさんは困った顔をしたまま、猫魔王さんを見上げました。
「魔力や妖力を寄せ付けない祠の中に封じ込めてある。封印の外し方は知らされていないんだ。 」
「でも、カレーで時間を稼いで封印を解除する方法を探るしか手は無さそうですね。」
何者かわからない、目的のわからない、
「とにかく、さめもその封印を見てみたいと思います。さめも使い魔ですから、少々封印にも知識があります。 」
「さすれば、まずはさめ殿に封印を調べてもらうことにしよう。 」
本来であれば使い魔の知識よりも、魔法使いのkeiさんの方が詳しいはずなのですが…
「よし、さめと九尾は結界を見に行ってくれ。俺とkeiはやつが現れたら注意を惹き付けておく! 」
「頼んだぞ猫魔!もうすぐきつね達がカレーを持ってくる。そうしたらさめ殿と出発しよう。 」
仲の悪い二人ですが、息があったようです。

じきに大きな寸胴に入ったカレーが数個やってきました。
オサキさんがきつねさんたちに指示を出しています。
keiさんというと、あらっ!
こそこそっこそこそっ
「 keiさんこそこそ何をしてるんですか? 」
こそこそっこそこそっ
「何もしてないよう」
こそこそっこそこそっ
「辛いいい=3」
keiさんの辛味センサーが過剰に反応して、毛が逆立っていますw
「 keiさんっカレー食べたでしょ?そのカレーはあいつさんをやっつけるために香辛料をいっぱい入れてあるんです!食べるように作ってないですよ。」
「お口がひりひりするー」
keiさんは味見に余念がありません。食べるものと見れば、とりあえず味見をしています。
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「ねこねこぉ~あいつさん、やってこないね。」
なんか、退屈してきたのね~
ねこねこも眠そうにしてるよ。
「そうだ、スマホ充電ゲームしよう。」
「なんだそれは!」
じゃんけんで負けたら、スマホの充電器をぐるぐる回すのね。
「ねこねこもきっと楽しいと思うよ」
じゃんけんポン
「ねこねこったら、やろうよー!」
「いいよめんどくせー」
楽しいと思うんだけどなぁ、ねこねこは乗り気じゃありません。
「じゃぁ充電ができたら、キングダムハーツをやらせてあげるよ。」
「ネトゲーかぁ、俺の指じゃスマホは使えないからなぁ~」
あ~確かにねこねこの指じゃ、うまくタップできないかも。
「とにかくやろうよー、何もすることないんだし!」
じゃんけんポン♪
うふふっねこねこったら嫌そうな顔しながらじゃんけんに加わったよ(しめしめ)
秘密の沼はスマホの電波が入らないのね。
雄国山まで登らないとメールのもできないんでっす。
でもね、不思議なことに今日はアンテナマークが5本も立っているのです~☆
今週はチーム戦なのね!keiもレイドボス討伐に加わってポイント稼がなくては~
「はい、ねこねこの負け。100回回すんだよ。」
ねこねこったら、そんなに乱暴に回したら壊れちゃうよ。
「おお、猫魔王! 」
「なんだよkei 、ちゃんと回してるぞ。」
「俺作戦がある、そんなことやってないで、俺の方見てちゃんと話を聞け!」

猫魔王だが、なんかkeiがおかしなことになってる!
いつもと違って、やけに態度がでかいぞ?
「きつね達や妖怪たちがカレー爆弾を作っているようだが、同じ手が通用するとは思えない。」
なんだなんだ~いつものkeiじゃないぞ!
「いいか、きつね達や妖怪たちを使ってあいつの動きを封じ込めるんだ。その間に俺やお前、九尾で相手の急所を責める。」
「封じ込めといっても、どうしようというんだ?」
てか、絶対こいつはkeiじゃない。なんか声が凛々しい?
「あいつはまた同じあたりにやってくるだろう。その周りの茂みにきつね達を忍ばせておくんだ。」
枯れ枝で雪になにか書き始めたぞ?
「あいつはここら辺に出てきたとする。たぶん、あいつは周りのきつね達の存在に気がつく、しかしまたカレーで攻撃してくるぐらいにしか思わないだろう。そこでだ!」
あ~なんなんだ、こいつは~?
頭こんがらがってくる??
「てか、お前誰?」
keiがおかしいのは、あいつの仕業では無いようだ。けれどもいつものkeiでもない(– -) 「上杉謙信だ、そんなことはいいから話しを聞け。」 ええっなんだって? 上杉謙信?? 「まずは俺と九尾が上と正面から攻撃して、あいつの注意を惹き付ける。その間にお前はきつね達を先導し、あいつの体によじ登っらせろ!」 なんでkeiが上杉謙信で、俺たちに討伐を指示してるんだ?? 「おい、ちゃんと聞いてるのか!」 「あ~。」 「あいつの体中によるし登らせたらスクラムを組んであいつの動きを封じ込める。動けるなくなったあいつを、俺たちで討伐する。」 確かにカレー爆弾は通用しないかもしれないし、上杉謙信のkeiが言う作戦の方が勝てる見込みがある。 「さめや九尾が戻ったら、すぐに準備をさせろ。何か質問はあるか 「あ フォト ーわかったよ。あいらが帰ってきたら話してみる。 」 上杉謙信はじっとこっちを見ている。 なんで上杉謙信なんだ? 「ねこねこおーちゃんと回した?百回だよ!」 あっまた普通のkeiに戻ってる(– -)

「こちらの様子はどうだ? 」
「今のところ、あいつの動きは無い。きつねたちもそろそろカレー爆弾を作り終えるころだろう 。」
しばらくすると九尾だけがこちらに戻ってきた。
「退屈なのでねこねことスマホの充電ゲームをしていたよ。」
keiもあれからおかしな様子がない。
「じゃんけんで負けた方がスマホのぐるぐる充電器を回すの~九尾もやる?」
いつもどおりのkei(*- -)
「ねえきゅっぴ、封印のほうはどうだったの? 」
「いま、さめ殿に調べてもらっていますが、高度な魔法が使われているそうです。 」
「まぁーさめはさめだし、使い魔には封印とか呪文とかわからない。とkeiは思いますよ。」
やっぱり?
「さめ殿には屈強なきつね達を追い付けてあります。何かあったらすぐに連絡が来ますから安心してください。」
「いやいやキューピーがいなくなると、さめはきつねさんたちに食べられちゃってる。とおもうよ!」
たしかにさめはきつねたちの餌になってるかも知れんw
上杉謙信はどこにいった!
「そんなことはないでしょう、さめ殿は徳の高い使い魔のですから」
「でもっいちおう魚ですし(^^;」
「 kei 、俺はちょっと九尾と話はあるから、ゲームの続きはまた後でな。罰として次は俺が200回、廻すところから始めよう。」
俺は九尾にkeiから離れるよう顎を使って促した。
2人でその場を離れると、さっきのことの一部始終を九尾に聞かせた。
「確かにその作戦は悪くないな、しかしその話の出所は上杉謙信公とは!?」
「なーなんか胡散臭いだろう。」
「まったくだ!」
九尾も腕を組み首をかしげている。
「とりあえず、私はさめ殿を迎えに行ってくる。」
「さめなら、なにかを知っているかもしれないな。しかし、やつは何時やってくるかわからない。妖怪やきつねどもに話して準備はさせておこう。」
「そちらのほうは任せた。」

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